エスイーフォーがVR×ロボットで超える「時間の壁」
通信遅延が発生する「超遠距離」のロボットを意のままに操作可能に

時間や距離を超えて人とロボットが協働するシステムの構築をビジョンに 、ロボット遠隔操作の技術開発を行うスタートアップ「エスイーフォー」はこの度、技術開発の成果について特許出願を完了した。

同社が手がけるのは、「通信遅延環境」で効果を発揮する技術の開発。遠く離れた場所で発生するこの「遅延」は、地球と月の間では往復に約2秒、火星との間では約20分にまで及ぶとされている。

こうした遠隔地からロボットを操作する場合、個々の動作に対して非常に細かな指示を、動作が終わるごとに出す必要がある。それゆえ、作業には通常の何倍もの時間を要してしまうのだ。また、こうした通信遅延が発生する場所は未知の環境であることも多く、ロボットの動作を事前にプログラムするのも難しい。

そこで同社では、仮想現実世界とロボットの周りの現実世界をAIと人間の知能で繋ぎ、ロボットを操作するユーザーは、VR上のシミュレーションでロボットが認識している世界を見ながらロボットを操作する技術を構想。

細かな「動作」の指示をするのではなく、「目の前のペットボトルのキャップを開ける」という「目的」を伝達。ロボットはAIを使い、自律的にこのタスクを実行。これにより、指示回数が削減でき、通信遅延が発生する場所での作業効率を飛躍的に高めることができるそうだ。End