廃棄物と環境の問題に向き合い、生活を楽しむきっかけに

私たちがビジネスをするうえで、地域の人たちとの連携は欠かせません。営利企業として、収益を上げることと同様、地域の雇用を拡大することも大きな責務です。そんな人たちとの年に一度の交流会が、ナカダイで開催している「こまがた桜まつり」。地域の人だけではなく、遠くから温泉旅行がてら、わざわざ来てくれる人もたくさんいます。大型トラックの荷台をステージにしたプロの奏者によるパフォーマンスやキッチンカーなども来て、盛り上がります。

40年前、ナカダイがこの地に工場を構えたときに敷地境界線に植えた桜が育ち、地元ではそこそこ知られた桜並木になりました。工場裏の土手に咲く菜の花と良いコントラストです。ライトアップもして、遊歩道も整備し、地元の人たちも、夜も歩けるように整えてあります。

また、年に一度の工場開放の日でもあります。廃棄物処分場は、何をやってるのか、何が置いてあるのか、どんな人が働いているのか、取引先企業の機密部分は隠しますが、基本的にはすべてオープンにして、無料の工場見学をします。

1999年にこの世界に入って以来、ひたすらリサイクル率の向上と、取扱量の拡大=売り上げ増を目指してきました。デフレと言われる時代も長く、量の拡大につながらない時代もありましたが、今は技術の急速な発達による商品、サービスのサイクルが早いため、大量の廃棄物を生み出しています。その分、世界中に大きなダメージを与えています。しかし、私が最も懸念するのは、その事実を多くの人が自分のこととして認識していないこと。体験、経験していなので、どう行動していいかわからない人、行動しない人が多いということです。私たちの工場を見ることで、行動するきっかけにしてほしいと思っています。過剰包装を控えるべきとか、使い捨てをやめるべきとかだけではなく(もちろん、ごみを減らす努力は大事です)、少しくらい高くても環境に配慮された商品を買うとか、長く使う工夫をするとか、環境と向き合いながら、自分の生活を楽しめるようなきっかけにしてほしいと思います。そして、こんな仕事をしたいと思う人が少しでも増えてくれることを願いつつ、来年も開催したいと思います。End