Zaha Hadid Architectsによる「Al Janoub Stadium」
FIFAワールドカップ・カタール大会の会場のひとつ

カタールの新たなサッカー場「Al Janoub Stadium」が、ドーハの南23kmに位置するアル・ワクラ(Al Wakrah)に完成した。2022年に開催されるFIFAワールドカップのためのスタジアムとしては同国で初めてのオープンとなる。Zaha Hadid ArchitectsAecomと共同で2013年3⽉にデザインをスタートしていた。

ワールドカップ向けに40,000席を用意するが、大会後には20,000席まで座席を減らして、プロサッカーチームのアル・ワクラSCのホームスタジアムになる予定だ。

カタールの暑い夏でも使用できるように、屋根は開閉式で、外装にはプリーツのついたPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)とケーブルを使用。コンピュータモデリングや⾵洞試験を活用したパッシブデザインで、この屋根が船の帆のようにフィールドを覆うことで、プレーヤーにも観客にも快適さを提供。

ペルシャ湾に面した沿岸の都市であるアル・ワクラの文脈を捉え、海の伝統と土地の歴史、特にその地域に根差した「ダウ船(dhow)」と呼ばれる船を反映したデザインになった。

スタジアムは⼤きな台地の上にあり、観客は坂道を通って、観客席の真ん中にあるメインのエントランスコンコースに入ることができる。この台地によって、スタジアムは周囲の景観と接続し、建物の規模を縮⼩することができた。

また、この台地には⼤きな弧を描いたスペースがあって、東側は観客の出⼊口となり、北東側にはコミュニティのマーケット、南東側には活動の場となる公園を設けた。⻄側は選手や高官、有力者のために車でのアクセスが可能になっているそうだ。End