NEWS | インテリア / 建築
2019.05.21 16:19
東京・麹町に建設された、地下1階、地上11階のオフィスビル「KOJIMACHI TERRACE」。通常のオフィスビルは気密性が高く、空調設備によって完全制御されているため、室内から天気の変化や季節の移ろい、そして街の気配などは感じ取りにくいものだ。
佐藤オオキが主宰するデザインオフィス nendoが手がけた内外装デザインは、外の空気や気配を建物内に積極的に取り込むことで、外部との繋がりが感じられるオフィスを目指した。
最初に、6つの階にそれぞれ異なる特徴を持ったテラスを配置。普段は屋外空間としての使用を想定しているが、建具を閉じることで、カジュアルなミーティングや休憩用のコーナーとして使える。
特に9F~11Fのテラスは、吹き抜けによって縦方向の視線の繋がりのある、立体的な半屋外スペースとなっている。これ以外にも、大きく開放できる窓を積極的に配置することで建物内の自然換気もできるようにしたという。
ただし、このようにテラスや開口部を多く設けると、サッシや手すりが増えるほか、カーテンウォールを支える方立なども必要なため、必然的にノイズが増えてしまう。そこで、これらの線的な要素をいずれも断面寸法を60mm角にし、木質の仕上げで統一。これを前後に浮かせながら6つのレイヤーに編み上げることで、「スカスカ」な表情の外観デザインが生まれた。
仕上げもまた均質なものではなく、ムラ感や経年変化を重視し、銅色ステンレス材やザラッとした洗い出しの床、小手ムラを残した左官仕上げなどを積極的に採用。さらに、エントランスに設置したベンチも銅色ステンレス鋼材をファサードと同じルールで編み上げて作成し、ロゴやカーペットも「編み目」をモチーフにしたデザインにしている。(Collaborator : IKAWAYA ARCHITECTS)