NEWS | サイエンス
2019.05.15 14:11
未来の建築に明かりを灯すのは、日光を採り入れ、水が流れ、土と堆肥を敷いたインフラで栽培される、輝く植物群になるかもしれない。マサチューセッツ工科大学の建築と化学エンジニアリングの教授たちは、こうした学際的な共同作業を進めている。
2017年にスタートした「発光植物」の研究は、光を生成するように遺伝子を組み換えるのではない。むしろ、植物がエネルギーを蓄積して光に変えるナノ粒子を注入するそうで、ホタルが光るのと似ているという。つまりこのプロセスでは、「充電不要のバッテリー」と「設置不要の送電線」を使うので、電気のいらない照明装置が実現するのだ。
研究チームが開発した数世代にもわたる発光クレソンは、最初の試作版よりも長い時間、より明るく輝くことができた。「光キャパシタ粒子(light capacitor particles)」と呼ばれるナノバイオティック植物のための新しい成分が効果的であった。
そして、ニューヨークのクーパーヒューイット・スミソニアンデザインミュージアムで開催中の「Nature—Cooper Hewitt Design Triennial」の一環として、建築におけるこの発光植物の可能性が紹介されている。
また、このインスタレーションでは、今後利用可能なエネルギーが大きく限られたときに、未来の植物の自然な成長を支えるデザインに対して、既存の住宅がどれほど適応でき、また改装すべきなのか、そのロードマップも提示するそうだ。