ワシントンD.C.の「国際スパイ博物館」がリニューアル
スパイのテクニックからインスピレーションを得たデザイン

米ワシントンD.C.に新たな博物館が誕生した。この「国際スパイ博物館(International Spy Museum)」はもともと、世界中のスパイ関連の品々を展示する私立の博物館で、2002年にオープンしていた。

かつてはペン・クォーター(Penn Quarter)地区にある19世紀の建築に入居していたが、今回はロンドンの建築設計事務所 Rogers Stirk Harbour + Partnersによるランファン・プラザ(L’Enfant Plaza)地区のマスタープランの一環でリニューアル。文化的建造物として、連邦政府庁舎など大型の建築が立ち並ぶこの界隈で、新たな活動や関心を生み出すことだろう。

建築はスパイのテクニックからインスピレーションを得て、「ありふれた風景の中に潜む」デザインになっているそうだ。たとえば、展示スペースはプリーツのついた「ブラックボックス」や、不透明と半透明を繰り返すジグザグの壁に覆われた「シークレットボックス」に収められている格好だ。

2倍の高さのあるロビーと、箱の中に収められた3フロアにわたる展示スペースとシアタースペースの上には、人目を避けるように通りから奥に引っ込んだ形で2フロアのイベントスペースを設置し、ワシントンD.C.の街並みとウォーターフロントを一望できる屋上テラスを設けた。

同館のエレベーターは正面の通り側にもあるが、建物の裏側にもあるそうだ。いかにもスパイらしく、誰にも気づかれずに博物館を去っていくのも面白いかもしれない。End