NEWS | 建築
2019.05.13 18:02
ニューヨークにあるグッゲンハイム美術館がUAEで手がけている「グッゲンハイム・アブダビ(Guggenheim Abu Dhabi)」は、建築家 フランク・ゲーリー(Frank Gehry)による21世紀の独創的な美術館デザインの試みといえるだろう。
アブダビ近郊のサディヤット島(Saadiyat Island)北西端にある半島に建設中で、三方をアラビア湾の輝く海に囲まれており、手つかずのノースビーチゾーンを保護する人工の防波堤としても機能するそうだ。
広大なインダストリアルスタジオにインスパイアされたデザインで、数多くの現代アーティストが活動する大規模なスペースとして、従来の美術館とは異なる新しいレイアウトを提案。高さや外観、そして特徴が異なるギャラリーを集めることで、キュレーターはこれまでになかった規模で展覧会を柔軟に組織できる。
複数ある円筒形のエントランスを進むと、キャットウォークでつながったギャラリー群があり、これが屋根のついた中庭を囲んでいる。中央の循環通路の上にさらにギャラリー群を重ね、垂直・水平を組み合わせた展示空間を作り出すという。
また、このデザインにはこの地域に適した持続可能な要素も採用。中東で広く使われている伝統的な「バードギール(採風塔)」のコンセプトを取り入れ、自然な冷房と換気も行うとしている。