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2019.05.09 17:06
3Dデジタル設計や3Dプリンタによるデジタル生産などを専門とする慶應義塾大学SFC研究所・所長 田中浩也が、新作「Breathing Facade(呼吸するファサード)」のムービーを公開している。
同氏は、デザイン工学(エンジニアリング)の視点から、デジタル・ファブリケーションや3D/4Dプリンティングの可能性に国内でもっとも初期から着目し、その先端を開拓してきた。
今回公開した作品は、オランダの「4D Printing & Meta Materials Conference」で発表した研究成果のうちのひとつで、温度に応じて変化する「形状記憶ポリマー」を使用して、3Dプリンタで「オーゼティック・パターン」を構成したもの。
このポリマーは、電気を使わず自然の力だけで状態変化を実現する工夫がポイント。まさにファサード自体が生物のように呼吸して、夏になると温度と風力で切れ目が開いて風を招き入れ、秋になると自然に穴が閉じて冬を迎えるという。今回のテーマについて、さらに実証実験を進めていく予定だそうで、今後の展開が楽しみだ。