セントラルパーク脇の住宅タワー「111 West 57th Street」
建築要件を大胆に解釈した羽根のようなデザイン

ニューヨーク・セントラルパークの南側に建設中の住宅タワー「111 West 57th Street」は、高さ1,428フィート(約435m)で、同市でもっとも高いビルのひとつとなるものだ。設計を担当したのは、SHoP Architects

タワーの外観は、ミッドタウンの建築要件を大胆に解釈。建物の上方に向かう理論上の斜面で、「sky-exposure plane」と呼ばれる建築基準に触れるところで徐々に後退させて、階段状というよりも羽根のような形となった。

このように建物は後退しながら、東側と西側のファサードを頂上までテラコッタで仕上げることで、尖塔のようなデザインとなった。111 West 57th Streetは、かつてのデザインを踏襲するのではなく、このアプローチにより、One Wall Street、GEビルディング、エンパイアステートビルといった歴史あるタワーとのつながりをもたせることができた。

今日の建築家が使えるもののなかで、テラコッタはもっとも美しく応用がきく素材の1つだという。111 West 57th Streetでは、次第に変わりゆく表情を出すためにブロックをモデル化し、型押しして成形し、つやを出し、柔らかく砕ける波のように巻き込むパターンを重ねた。

ファサード全体にわたってこうした要素をずらすことで、さまざまな光を浴びたり、いろいろな距離から見たときに、驚くほどに変化する独特のモアレが生まれるそうだ。End