NEWS | サイエンス
2019.04.26 15:39
火星に着陸したNASAの探査機 InSight(インサイト)は、おそらく地震と思われるもの、アースクェイクならぬ「マーズクェイク(marsquake)」を初めて観測した。
観測されたのは微弱な地震信号で、火星の内部構造を調べる「SEIS」という地震計が2019年4月6日、探査機が着陸してから128火星日にキャッチ。これは、風のような地上の力が引き起こしたものではなく、火星内部から生じたとおぼしき振動として記録された。科学者たちは今のところ、データからこの信号の本当の原因を調査中だそうだ。
今回の地震の発生は、火星内部の確かなデータを収集するにはあまりに小さかったようだ。ただ、地球とは違い、火星の表面はとても静かなので、InSightに搭載された「SEIS」でかすかな地鳴りもキャッチできるという。
地震が頻発する地球に住む私たちは、プレートが動いて断層が地震を引き起こすことを知っている。一方、火星や月にはプレートはないが、こうした惑星でも地震は発生しているのだ。
この場合、冷却と収縮のプロセスが続くことでストレスが生じて、地震が起こるのだと考えられている。そして、このストレスは時間が経てば経つほど大きくなり、地殻を壊すのに十分なほどの力を蓄え、地震を引き起こすとされる。
NASAでは今後、月や火星での活動を拡大する予定で、そのためには地震のメカニズムの解明は必要だとしている。