NEWS | 建築
2019.04.17 14:44
イタリア・ミラノ郊外にある南北2つの使われなくなった鉄道ヤードを再開発する計画「Agenti Climatici(climatic agents)」として、建築設計事務所 OMAが「Scalo Farini」を公開した。
グリーンゾーンとなる「Scalo Farini」サイト、ブルーゾーンとなる「San Cristoforo」サイトという2つの区画での再開発計画で、どちらも「エコフィルター」としての機能を備えるそうだ。
グリーンゾーンの広大な公園は、南西からの暖かい風を冷やして、有毒な微粒子を含んだ空気を浄化してくれる。一方、ブルーゾーンには大きな水の流れを設けて地下水をきれいにし、人間と動物がともに暮らせる場所を作り出す。きれいな空気と水を供給し、気候変動と大都市の公害に対処することで、ミラノの環境を再生させるねらいである。
この新しい価値システムでは、水、緑、橋などの公共スペースの計画は固定しつつ、建物については流動性をもたせるという。ファリーニでは、国内の政治や世界経済の影響に対応できるように、開発の規模を市の将来の経済開発に合わせ、順応性があって回復力のある空間的な枠組みを作り出すとしている。
「エネルギーをたくさん消費してきた20世紀の都市は、古典時代からの都市開発の特徴であった原則を再考することで問題を克服すべきだ」というのが、このプロジェクトの目標だ。