MAD Architectsによるニューヨークの「East 34th」
高層ビルに新たなビジョンを示す「なめらかな」建築

ニューヨークのエンパイアステートビルの隣に新たなビルが誕生する。馬岩松(Ma Yansong)が率いるMAD Architectsによる「East 34th」は、ニューヨークの高層ビルに新たなビジョンを示す建築だ。

従来のタワーの頂点にみられるような非常にはっきりとした印象的な輪郭はなく、深い色合いのあるガラスカーテンウォールのファサードを採用。頂上は次第に細くなり、大気のなかに溶けていくような印象を与える。

この地域で芽を出す種子のような建築で、なめらかなゆるやかに波打つ姿からは、有機的で生き生きした印象を受ける。街が生み出す力や資本といった文化的な影響を象徴する従来のタワーとは対照的。角張ったスカイラインを柔らかくし、ニューヨークのモダンな風景と自然のあいだの対話を促すようなデザインだ。

通りに面した地上階には店舗や公共施設が入居。その上にはゆったりとした多層階からなるアトリウムを設け、広大な緑の壁を構築するそうで、周囲のコンクリートジャングルから逃れて自然を感じることができる。

2019年4月10日(水)から始まったパリのポンピドゥー・センターでの1年にわたる常設展示会「MAD X」では、この「East 34th」の模型を展示している。End