NEWS | サイエンス
2019.04.12 13:25
国立天文台は、史上初となるブラックホールの撮影に成功したと発表した。地球上の8つの電波望遠鏡を結合させた国際協力プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ」において、巨大ブラックホールとその影の存在を初めて画像で直接証明することができた。
ブラックホールは、莫大な質量を持つにもかかわらず非常にコンパクトな、宇宙でも特異な天体。ブラックホールがあることで、その周辺の時空間がゆがみ、周囲の物質は激しく加熱される。
「もしブラックホールのまわりに輝くガスのような明るいものがあれば、ブラックホールは『影』のように暗く見えるはずです。これはアインシュタインの一般相対性理論から導き出せることですが、私たちはこれまでそれを直接見たことはありませんでした。」と、オランダ・ラドバウド大学のハイノー・ファルケ氏はコメント。
今回、複数のデータ較正や画像化手法を用いることによって、明るいリングの中に暗い部分「ブラックホールシャドウ」が写し出された。繰り返し観測を行っても、このシャドウの存在は揺らがなかったそうだ。
この大発見に合わせて、Google Doodleでは早速ブラックホールをモチーフにしたイメージが公開されている。「GOOGLE」の文字が中心に現れたブラックホールに吸い込まれてしまうというもの。残念ながら日本では配信されなかったが、このすばやいアップは発見の大きさを物語っている。