NEWS | サイエンス / テクノロジー
2019.04.05 14:16
フランスの発明家 クレマン・アデール(Clément Ader)が19世紀に飛行機械「エオール」や「アヴィヨン」を発明して以来、カリフォルニア工科大学による「Bat Bot」やフエストによる「BionicFlyingFox」にいたるまで、航空機の設計は130年以上にわたってコウモリにヒントを得てきた。
今回ブリティッシュコロンビア大学とシンガポール国立大学の研究チームが開発したのは、コウモリの翼の羽ばたきの3Dコンピュータモデルで、より機敏で空気力学にかなったドローンや飛行機も実現できるかもしれないそうだ。
翼を羽ばたかせた飛行は、騒音の低減や操縦性の向上、改良度の高さ、効率性の向上など、固定した翼よりも多くの利点があるという。また、コウモリの翼は非常に柔軟で膜のような性質なので、昆虫や鳥などよりも移動するのに高い自由度があるとされる。
そこで研究チームは、実際のコウモリの飛行力学の複雑さを把握するために、コウモリのような飛行機械をつくるうえで基盤となる数学的なフレームワークを作成。すると、コウモリの羽は、乱気流に反応して曲がったり、ねじれたり、変形したりでき、揚力や推進力や飛行に関わる力を発生できることがわかった。
現在は、コウモリのような飛行ができるようにAI対応の「デジタルツイン(digital twin)」を活用し、コウモリ型ロボットの開発も目指すそうだ。