貧困層の住宅問題に取り組む「New Story」
世界初の「3Dプリントコミュニティ」を構想

現在、約10億人の人々が十分な住まいがないままに生活しているそうだ。今後2050年までに、その数はおよそ30億人に達すると考えられている。

こうした住宅問題に取り組む非営利団体が「New Story」だ。主な活動は、現地で材料を調達してコストを下げて住宅を供給すること。寄付を募り、その全額を住宅建設費用に充てることにしている。

現在手がけているのは3Dプリンティングの住宅である。2018年には3DプリンタメーカーのICONと協力して「Vulcan 2」という装置を開発、初めてとなる家屋をアメリカに建設した。

作業は1軒あたり48時間以内で終わるそうで、費用も約6000ドル(約66万円)と手頃な価格と工期の短縮が実現している。もちろん、廃棄物ができることもなく、環境にも優しい。

規模としては数十軒ほどの家を建てるので、2019年の夏ごろには世界初の「3Dプリントコミュニティ」が誕生する見通しだ。

オークションハウスのサザビーズやスイスのデザイナー イヴ・ベアール(Yves Béhar)らも賛同しており、一般の人でも寄付は可能。よりよい質の家に長期間住めるという安心感が、人々の未来を明るくすることだろう。End