NEWS | アート
2019.04.04 11:40
ルーブル美術館の正面にある有名な「ピラミッド」の構築30周年を記念して、集団アート作品が登場した。パリ出身の写真家でアーティストのJR(ジエール/ジェイアール)が手がけたものだ。
彼はすでに2016年、巨大な布で囲って騙し絵のようにピラミッドを消滅させるインスタレーションを披露している。今回は400人のボランティアとともに、ピラミッドの周囲を深く掘ってその土台が見えるような騙し絵の巨大なコラージュ作品を実現させた。
毎日、何百人ものボランティアが、2000枚もの紙をカットしてペーストする作業を続けたそうだ。
イメージは人生のように移ろいゆくもので、紙が貼り付けられると、アート作品として存在感を放つのだ。太陽がのりを乾燥させ、人々が歩くことで紙が破れることもある。
このプロジェクトは、存在と不在、現実と記憶、そしてはかなさについての作品である。ボランティアや観光客など、たまたまそこに居合わせた人たちが作り上げた、一瞬の輝きといえる作品だろう。