NEWS | 建築
2019.04.03 14:52
オンワードは創業以来、さまざまな生活文化事業を手がけており、こうした活動の情報発信とコミュニティ形成、これと関連した新たな価値創造を目指して、複合型商業施設「KASHIYAMA DAIKANYAMA」を作り上げた。
総合デザインは佐藤オオキ率いるnendo。B1Fにはカフェ、1Fは展示やイベント向けのギャラリーとラウンジスペース。2Fと3Fはファッションやインテリア雑貨などの物販エリアに、ビスポーク・サービス用のアトリエを併設。4Fには65席ほどのレストラン、最上階の5Fには小さなバーを設けた。
建築デザインは代官山の街並みに馴染むように、ひとつの大きなハコではなく、複数の小さなハコを重ね合わせながら集合させた「小さな丘」をモチーフにしている。これにより、ハコとハコの隙間から不意に自然光が入ってきたり、視線が抜けて広がりを感じさせるなど、変化に富んだ内部空間を実現。
また、B1Fの床には、それぞれの場所に異なる種類の玉砂利を使い分けつつ、 ハコが重なった空間にはこれらの玉砂利を混ぜ合わせて使用するなど、インテリアとしてはこの建物が持つ空間的な特徴を強調することを考えて、ハコ同士が「重なった」場所を「重なった」素材で仕上げた。
さらに、外部のデザイン要素を内部に取り込もうと、デッキや外壁を積極的にインテリアに使用。「重なり」を生かしたディテールを心がけることで、「家具」「インテリア」「建築」という、3つのスケールの異なる要素が柔らかく融合した空間体験となることを目指したそうだ。