NEWS | ソーシャル / 建築
2019.04.02 12:07
アフリカ東部、ケニアの西側に位置する国・ウガンダでは、「救急小児外科センター」が建設中だ。ウガンダとアフリカ全土で健康管理と文化の振興を行う上でとても重要なものとなるだろう。
このプロジェクトを主導するのは、戦争などの犠牲者に無償で医療行為を提供する人道主義のNGO「Emergency」で、イタリアの建築家 レンゾ・ピアノ(Renzo Piano)が率いるRPBW Architectsが設計を担当。
アフリカでは実際問題として小児外科病院が必要とされており、こうした要求に、合理的でかたちあるものとして、現代的で美しく、なおかつ地域の伝統に根ざした建築モデルを作りたいという考えを組み合わせることが課題となった。
湖に向かって傾斜する曲線をなぞった建築で、敷地内の道に沿って、病棟の壁や、病棟を分ける屋外通路を設置。この通路自体がテラスになっており、そこに病院が建つことで、病棟の内と外や上と下が空間的に連続する格好だ。また、壁は積み重ねるような工法で、さまざまな区域を隔てずに、湖や公園、病院内の環境に統一感を生み出している。
多くの国々でもっとも貧しい人々が家を建てるのに使う原料は、土壌そのものだ。現地で入手可能なものであり、セメントや熟練の労働者は不要、建設の段階からサステナビリティにも配慮。
大地から生まれたこの建物では、太陽からエネルギーを獲得。屋根は宙に浮かぶようなトラス構造で、その上にサッカー場の面積に相当する9,800平米の太陽光パネルを設置することで、日中には病院に電力を供給できるそうだ。