NEWS | アート
2019.03.29 16:08
阿寒湖温泉のアイヌの人々が継承してきた歌や踊りなどの伝統文化を、国内外から同地を訪れる多くの人々に知ってもらうために企画された、デジタルアートとアイヌ古式舞踊を融合した新プログラム「阿寒ユーカラ『ロストカムイ』」が、2019年3月19日(火)から阿寒湖アイヌシアター「イコㇿ」で一般上演を開始している。
ビジュアルデザインスタジオ WOWが舞台映像の演出・制作を手がける同作には、ヨシダ ナギ、Kuniyuki Takahashi、UNO、坂本大輔(JTBコミュニケーションデザイン)といった、写真やデジタルアート、サウンドデザインなどの分野で注目を集めるクリエイターが阿寒湖に集結。
アイヌ古式舞踊、現代舞踊、3DCG、7.1chサラウンドを組み合わせ、5台のプロジェクターで舞台を立体化した新演目、「ロストカムイ」を制作した。
同作では、「アイヌとエゾオオカミとの共生」をテーマとした物語を、デジタル技術と舞踊で立体的に再現。自然を尊び共存してきたアイヌの人々の暮らしのなかから生まれた歌や踊りなど、アイヌの世界観を存分に体感することができる。
アイヌは「動物にも、草木にも、水や火や風にもカムイ(アイヌ語で神様の意味)が宿る」と信じていており、とくにエゾオオカミは狩りをする神「ホロケウカムイ」と呼ばれ、カムイのなかでもアイヌに狩りを教え、時に助ける特別なカムイとしている。こうしたアイヌの世界観が、WOWのデジタルアートを通じて私たちの前に登場するだろう。