NEWS | サイエンス / テクノロジー
2019.03.29 13:13
世界中で一番詳しい地球儀「Google Earth」のストリートビューでは、「地球上にある火星」に行けるようになったそうだ。
この「地球上にある火星」とは、カナダの北極圏にあるデヴォン島(Devon Island)のこと。寒帯気候の荒れ果てた大地でそこかしこに危険が潜む、地球で最大の無人島だ。
そこは人が住めないような島なのだが、それでも科学者や研究者には現地で活動するメリットがあるという。つまり、気候と地形が地球上でもっとも火星に似ているからなのだ。
Google Earthのスタッフは毎朝、アマチュアテレビジョンを使ってストリートビューを収集。当日のプランは全員に分かるように、誰がリーダーで誰が後方に搭乗するか、さらには誰が居残りで料理やメンテナンスをするかまで指示を出したそうだ。まさに、火星に行った人間がどのように行動すべきか、詳細な計画と準備がいかに大切かを、身をもって教えてくれているのである。
1週間の撮影で、隕石によってできた直径20kmを超える「ホートン・クレーター(Haughton Crater)」や、まがりくねったV字の谷が続く「Astronaut Canyon」、そして「Breccia Hills」にある古い湖底など、NASAが研究と探査のなかでもっとも関心を抱いている場所も踏破。
また、撮影は高性能カメラを搭載した「Google Pixel 3」でも行われたそうで、このカメラを使った初めてのドキュメンタリー映画ができあがった。Google Earthのガイドツアーで「地球上の火星」を探検して、この地で展開されているプロジェクトを体験してみよう。