NEWS | 建築
2019.03.27 18:02
カナダ・オンタリオ湖のほとり、トロントの新しいベイサイドに、初めてのオフィスビル「T3 Bayside」の建設が計画されている。10階建て・高さ42mで、北米全土でもっとも高い木造オフィスビルになる。
建築設計事務所 3XNが手がけるこの建築は、トロントのウォーターフロントを一変させる、2,000エーカー(約8km2)の前例のない再活性化計画の一環。同事務所はこの地域で2棟の住宅用ビルも設計予定で、トロントで最新のダイナミックな「ライブワークプレイ(live-work-play)」コミュニティとなるそうだ。
建物のどの面にも店舗スペースを設け、地上レベルはたえず活性化されることになるという。地上には中央広場を新たに作り、周囲には展示・ギャラリースペース、柔軟なオフィススペース、コワーキング施設など、階段状にコミュニティ・共有スペースが広がる。
屋上テラスも階段状に続くようにして、両サイドにある既存のマスタープランの動きと高さを強調するねらいだ。
木材を使用しているが、工期が短縮でき、建築要素をすぐに分解して別の目的に再利用できるので、サステナビリティに優れている。構造は、製造時の環境や気候への影響が少ない、非常に強く効率的な建材「Cross Laminated Timber」が用いられる。
また、木材はユニークなインテリアの美しさの決め手であり、建物の外装にも反映されている。木造構造の材質と形状には優れた音響効果があり、通気性や吸収性により湿気を放ち、自然な調節が行われる室内環境が構築されるのだ。