隈研吾が設計を手がけるトルコの現代美術館
「Odunpazari Modern Art Museum」

▲The Odunpazari Modern Art Museum ©Kengo Kuma and Associates

トルコ北西部にある都市 エスキシェヒル(Eskişehir)では、新たな現代美術館「Odunpazari Modern Art Museum」の建設が進められている。

手がけるのは隈研吾建築都市設計事務所で、オーナーとなるクライアントが所蔵するトルコ現代美術のコレクションを展示するための美術館になるという。

▲The Odunpazari Modern Art Museum ©Kengo Kuma and Associates

▲The Odunpazari Modern Art Museum ©Kengo Kuma and Associates

敷地はOdunpazariというエリアにあり、アーバンスケールとオスマン帝国時代の伝統的な形式の木造住宅エリアのあいだに位置する。周囲にある曲がりくねりでこぼこした細い道沿いには、2階部分がはねだした構造の住宅が建ち並び、ユニークなストリートスケープを形成している。

美術館はこうした住宅の小さいスケールを反映させつつ、アーバンスケールに埋もれないような設計だ。大きさの異なる箱を積み上げて中央に向けて高くなる構成で、ストリートスケープの連続性を保つようにしている。

▲The Odunpazari Modern Art Museum ©Kengo Kuma and Associates

▲The Odunpazari Modern Art Museum ©Kengo Kuma and Associates

大きさの異なるボリュームにより展示室に多様性をもたせ、地上階の展示室はラージスケールインスタレーションやイベント、企画展に対応できるゆったりとした空間が広がる。上階は、オーナーのコレクションに合わせたスケールの展示室となる。建物の一番高い中央にアトリウムを設け、自然光がスカイライトから各階に差し込んでくる。

「Odunpazari」という地名は、トルコ語で「ウッドマーケット」という意味だそうだ。かつてはこの地で木材が売り買いされていたことを踏まえ、美術館の外壁は、この土地の歴史とリンクするように全面木材で構成している。End