NEWS | 建築
2019.03.15 16:17
フランスのリュミエール・リヨン第2大学では、学生数16000人規模のポルト・デ・ザルプキャンパスで、新しい多目的ラーニングセンターの建設が進められている。手がけるのは、ヘルシンキの建設設計事務所 ALA Architectsである。
同センターは、メインとなる好対照な2つのフロアが重なり合うように構成。下の階は「台座」と呼ばれ、仕切りのある部屋のほか、会議施設やオフィス、アーカイブ、カフェなどがあり、角張ったボリュームが敷地から突き出たような印象を与える。
館内には大きな空間が開いており、くぼんだ光庭や気軽につかえる屋内パブリックスペースとして機能する。
上階は「プラットフォーム」と呼ばれ、オープンなランドスケープのようにフォーラム(キャンパスの中央広場)とじかにつながっており、流動性のあるスペースとラーニングセンターの流れが平らで柔軟なワンフロアに集まる仕組みだ。
館内では、仕切り壁や家具など移動可能で軽量な要素を巧みに配置。中二階のような3階は共同スペースの上にあり、大学の講義・研究室が入居する。メインの読書室の上には、静かで勉強や作業に打ち込める小さなロフトエリアを設置。
まるで屋外にいるかのような明るい屋根は、エレガントなあらわしの木造・鉄骨の構造によるもので、学習と知性の場にいることが実感できる。素材とディテールを洗練させシンプルに用いることで、集中して考えたり、新しいアイディアや体験を受け入れたり、学習空間を共有したりする雰囲気をサポートしている。