建設が予定されている「Shanghai Yangtze River Estuary Chinese Sturgeon Nature Preserve（上海長江河口カラチョウザメ自然保護区）」の国際コンペで、ニューヨークの建築設計事務所 Ennead Architectsが大賞を受賞した。

長江の河口にある17.5ヘクタール（175,000平米）の島が予定地で、総床面積が427,000平方フィート（約39,000平米）の自然保護施設は、水族館と研究施設の2つの機能を兼ねたものになるそうだ。

屋内および屋外に水槽を設け、サイズや塩分の異なる水域を自然に移動させて種の繁殖や成長を促すとともに、研究や自然の生息地への放流を目的とした施設もつくられる予定だ。

本施設では、建設予定の没入型水族館や展示体験を通じて、来場者がこうした活動にじかに触れられる機会を提供していくようだ。

建物のデザインは、波打ち流れるような形状で、さざ波のある川面や長江上流の象徴的な景観に着想を得た。ゆるやかに曲がった木造の構造で、リブは中央から放射状に延び、3つのパートが屋根でひとつにつながっている。屋根は明るい日光が最大限に差し込んでくるように、半透明で軽量のPTFE（ポリテトラフルオロエチレン）で屋内水槽を覆っている。

さらに、高度なサステナビリティ戦略から、クロス・ラミネーティッド・ティンバー構造システム、地熱による循環型の冷暖房システム、すばやい炭素隔離のための地元の植物相や水生植物を集めた人工湿地、水槽の水を浄化する生物濾過プロセスを採用。自然と施設との新しいバランスの調和を目指している。