NEWS | 建築
2019.03.12 13:19
トルコ東部の都市・エルジンジャン(Erzincan)では、「Palanga Art and Architectural Farm」と呼ばれるプロジェクトが行われている。1888年に設立された農園だが、1950年代に地方から都市部への人口流失により打ち捨てられており、これを復活させようというものだ。
アーティスト Kutluğ Atamanが中心となり、「健康的な土壌、健康な動物、健康な人々」を目指し、野鳥が戻ってくるように15,000平米の「Bird Groove」を設けたり、毎年5000本の植樹をして土壌再生キャンペーンを行うなど、自然回復プロジェクトを展開する予定だ。
ここに参加しているイスタンブールの建築スタジオ SO?は、新しい鶏小屋「HOUSE OF CHICKENS」を公開した。同プロジェクトでは初めて完成した構造物で、納屋、温室、フィードロット、セミオープンキッチン、ガチョウ小屋などを設置。
建築家やデザイナーと協力して、人間と動物の相互の関係を際立たせ、動物のためのシェルターになるようにデザイン。再生した土壌の上に優しく建てた木造の小屋で、鶏は厳しい気候から身を守ることができる。
地元の人々がかつてもっていた経験を活かしたデザインで、合板と酸化マグネシウム壁材を使用。通気性を確保し、日光が直接に差し込まない室内空間となっている。鶏舎には鳥がつかまりやすいように角度をつけた木材を配置し、断面のようなデザインは外側から静かで簡単に卵を回収できるためのものだ。
遠隔地の農村部なので、ローテクの材料と単純な工法によりメンテナンスが容易。現在は800羽の収容が可能だが、新しいモジュールを追加することで容量を増やすことができるそうだ。