NEWS | 建築
2019.03.11 18:01
イケアのイノベーションラボとして出発した「SPACE10」は、このたび建築スタジオ「Spacon & X」とともにラボのリデザインを行った。
このラボは、コペンハーゲンの精肉店が集まる地区に3年前にオープン。オープンプランの3階建ての建物で、垂直農場からオープンなオフィススペースまであらゆるものを備えている。
だが、発展するにつれてニーズも高まり、スタッフがさまざまに変化させられる新しいタイプのオフィスデザインを考案。製造ラボ、テックスタジオ、テストキッチン、イベントスペース、ギャラリー、そしてフレキシブルな会議室を設けた。
リデザインの目標は2つあったという。まず、自分たちのスペースを開放し、コミュニティとのさらなるつながりを持たせること。次に、「ワークスペース」の概念を劇的に変えるにはなんの仕掛けもないということ。デジタルノマド、フレックスタイム、バーチャルオフィスなどは、仕事の定義そのものを発展させるにはささいなものなのだ。
デジタルメディアの発達にともなって、ワークスペースを縮小するのではなく、むしろ拡大した。収容人員を10人から30人にするためにリデザインを実施。
オープンプランはかつてスタッフ間の交流と協調性を促すと考えられていたが、最新の研究では逆効果で、対面式のやり取りの時間が73%少なくなると言われている。また、別の研究では、パーテーションのない環境ではスタッフの口論や高血圧、離職率が増加するそうだ。
1階に落ち着きと静けさを与えるために、共同ワークスペースに「小部屋(cubicle)」というアイデアを導入。さまざまな活動に合わせてさまざまな環境を最適化する、柔軟でオンデマンドのハイブリッドなワークスペースができあがった。同ラボでは、なによりも心の健康を大事にしているのだ。