さとうしんすけ、長井維一郎、中本徳豊、野毛隼人、林 雅之、望月 孝、山平敦史の7人の写真家による展覧会「STILL PLUS Photo Exhibition」が2019年4月20日(土)〜26日(金)までギャラリー5610で開催される。
西洋美術において静物画(『STILL LIFE』)として確立された表現は、写真表現にも大きな影響を与えた。静物を観る眼差しや思考は、時代の流れの様相に呼応しながら多様化し、変化し続けていると言う。今回の展示に際し、多様化する視点のなかで、あらためてその変化を生み出し、新たな世界を創り出すことを『STILL PLUS』と定義する。
静物と向き合い写すことでそれぞれの写真家が何を感じるのか、その答えを感じるために展示を訪れてみてはいかがだろう。参加作家のプロフィールは下記の通り。
▲「私のもの」
さとうしんすけ
青森県生まれ。日本写真芸術専門学校卒業。フォトグラファー山口恵史氏
に師事後フリーランスフォトグラファーとして活動中。
「写真家として、ものを大切に扱うとはどういうことなのか?そんな日々悶々とする疑問に答えを出すために、自分のものたちと、もう一度対話し、見つめ直し、写し、STILL PLUSとして発表することにした……」
▲「At close distances」
長井維一郎(ながい・いいちろう)
1974年千葉県出身。撮影プロダクションに勤務後2000年よりフリーラ
ンス。商品撮影を中心に活動中。
「肉眼では近づけないような近距離で物を見てみると構造の複雑さに驚いたり、全く異なる物に見えてくることもあります。明視距離の中で、その気がつかなかった何かを見つける旅に行くように撮影してみました」
▲絵を描いている気分に
中本徳豊(なかもと・のりとよ)
1974年フリーカメラマンとして独立。1985年株式会社中本スタジオ設立。 2016年フィギュアスケートNHK杯より報道カメラマンとして活動中。1992年ハナエ・モリギャラリーオープンスペースにて 個展。2018年ギャラリー5610にてモスクワ展開催。
「……次々に普段気にも止めない『もの』ペットボトルやトイレットペーパーなどを置いてみた。浮き立ち上がる物の存在感、立体感、それはまさしく絵画の世界だった!(画家の気持ちに少し触れられた気がした)」
▲「日々、記憶とともに」
野毛隼人(のげ・はやと)
神奈川県出身。スタジオアシスタントを経てフリーランスとなり、現在に至る。 雑誌、広告、WEB 媒体など、東京を拠点に活動中。2011年、NO.12 GALLERY「maroc」、18年、room103「 Crossing Moment in Morocco」
「『祖父のことを知りたい』そんな思いがこの作品の起点になっている。祖父の生活空間や大切にしている物を撮影し、そこに存在する言葉に耳を澄まし、想像すること。それらを大切にし、私は写真を撮り続けている」
▲「Impermanense the story of real mannequins」
林 雅之(はやし・まさゆき)
東海大学教養学部在学中より写真を始め、プロダクトや家具などのスチルライフを中心に撮影を行う。主な写真展 1992年「TOU」GALLERY KOYANAGI、2000年「Document 1982~2000」、SagachoExhibitSpace、09年「Keika」Onshitsu、10年「Building Building」SpiralGarden、15年「the secret life of mannequins」Bunka Fashion College、17年「naked taniku at aglaia」aglaia Intellectual and Comfort
「……産廃物として処分されるまで、もの言わぬマネキンと言葉のない会話を交わし、芽生えた感情を写真に重ね合わせると、マネキンが佇む静かな時空がそっと動き出すように思う。私にとってのSTILL PLUSとはこのようなことかもしれない」
▲「静物画 -Still life picture-」
望月 孝(もちづき・たかし)
東京生まれ。多摩美術大学絵画科油画専攻卒業。広告写真プロダクション
を経て1998年よりフリーランスフォトグラファー。広告を中心に幅広いジャンルで活動中。
「この写真作品は、決定的でタブローのような1ショットではなく、何層にも重なるレイヤー構造を作って全体と部分の寄り引きを繰り返し、被写体が変化する様を短編映画のように撮影したものです。絵画的モチーフを散りばめ、引用し、パロディ化し、個人的なオブジェの物語を封じ込めています」
▲「Defender」
山平敦史(やまひら・あつし)
東京理科大学理学部卒業後、製薬会社に勤務。退社した後、麻布スタジオ
に勤務し本格的に写真を始める。麻布スタジオを退社後フリーランスとして雑誌を中心に活動中。
「毎日台所に立つ。……その時、シンクに落ちた食べ物の余分なかけらを見ると、食べ物の生きる力にふと考えることがある。今回、役目を終えたその瞬間まで中身を守っていたものの最後の形を、ありがとうの意味を込めて写真に収めてみた。そのままゴミ箱に捨てるには惜しい姿がそこにあった。普段口にする食べ物への感謝の表れ。それが今回の私にとってのSTILL PLUSだと思う」
- 会期
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2019年4月20日(土)~4月26日(金) ※会期中無休
11:00~18:00
- 会場
- Gallery 5610 東京都港区南青山5-6-10 5610番館
Tel:03-3407-5610
- 協力
- ギャラリー5610、銀一株式会社
- 問い合わせ先
- STILL PLUS 実行委員会 林 雅之
アートディレクション&グラフィックデザイン 小島利之
※参加写真家による同一の被写体によって表現されたSTILL PLUS も合わせて展示します。