NEWS | 建築
2019.03.08 16:21
東京・五反田の駅から徒歩5分のところに、元酒屋の倉庫を利用した新しい角打ちスタイルの居酒屋「桑原商店」がオープンした。
この居酒屋の設計を手がけたのは、建築家 長坂常が主宰するスキーマ建築計画。階上には曾祖母、2人の息子とそれぞれの息子家族、4世代13人が住んでおり、計画から工事まで家族の多くが参加し、工事まで行ってみんなで作りあげたという。
元々、桑原商店は長い歴史のあるこの地域を代表する酒屋。このスペースは倉庫として利用してきた場所で、買ったお酒をその場で飲める角打ちスタイルの居酒屋を一時的に営んでいた。
そこで、家族全員で楽しく働ける場を作りたいという希望から同店を構想。それまでの吹き溜まり感と暗さを一掃し、既存の特徴を最大限に生かしながら、お酒を楽しめる類のない場になるよう明るく一新。
既存のスチールラックや表のサッシ、床壁天井をできるだけ残しながら、見た目はそれほど変わらなくても、「何かが違う」とか「きっと何かあるぞ!」と思わせる新しい要素を散りばめた。
これにより、緩やかに周辺の空気を取り込んで「倉庫のような居酒屋」が生き返り、近所のバックスペースとして駐車場や倉庫などがあった路地が、なんとなく「何かありそう!」な魅力ある路地に見えてきたという。また、店内ではさまざまなニーズに臨機応変に適応できるように、室内の席にはビールケースを使用、席やテーブルの高さを変えて好きな姿勢で飲めるようになっている。