長坂常が率いるスキーマ建築計画は、東京・京橋に竣工したレンタルシェアキッチンスペース「Kitchen Studio SUIBA」を公開した。

ここ最近では、レンタルシェアキッチンのニーズが高まっている。ネットによって情報伝達が双方向になり、リアルな空間でも主客の関係の双方向性が自然になってきたことで、参加型のお店が求められているのだ。

同スペースは、立地が道路幅の広い昭和通り沿いにあることから、近距離と遠距離という2つの楽しみ方ができるのも特徴だという。

両隣は同建物と同じオーナーで、建物のあいだの隙間を積極的に利用する近距離目線での計画と、対岸など遠くから見ても、小さいながらも透明感の高さからつい中を覗き込んでしまう遠距離目線での計画の、2つの方向性をもたせることを目指した。

そこで、正面にはその建物に不釣り合いなまでに大きな引き戸と、脇道を入ってからたどり着く狭いエントランスを採用。

正面の通りからは反対側に位置する建物間の隙間にもカウンターテーブルを置き、居場所として楽しめるようになっている。また、床の素材を外の舗装と同一素材にすることで、より正面の透明性を強調している（工事完了前に外が変わるというハプニングもあったそうだ）。