NEWS | サイエンス
2019.03.04 17:48
地球の緑は次第に失われていると考えている人も多いかもしれない。しかし、NASAが発表した調査によると、20年前と比べて緑が増えている国もあるという。
実は、世界最大の人口を有する2大新興国、中国とインドが土地の緑化増加でトップであることがNASAの衛星データから判明した。過去20年間では植物の葉面積や樹木の増加を示していて、アマゾンの熱帯雨林全体に相当する面積で緑化が進んでいることになる。2000年代初頭と比較すると5%、年間200万平方マイル(約518万km2)を上回る葉面積の増加がみられるのだ。
こうした世界的な緑化傾向には中国が多大な貢献をしている。同国ではたとえば、土壌の侵食、大気汚染、気候変動の影響を減らす森林の保全・拡大プログラムを実施している。また、インドでは、食用作物の集約栽培によるものが大きい。
とはいえ、これは多毛作によるもので、一年に複数回収穫するため畑に作物を繰り返し植えるからなのだ。2000年以降、穀物、野菜、果物などの生産量は約35~40%増加したが、それは大規模な人口を養うためだ。
世界規模でも地域レベルでも、この緑化の傾向は将来的にはさまざまな要因に左右される。インドの食料生産の増加は地下水の灌漑に頼っており、地下水が枯渇すればこの傾向は変わる可能性がある。一口に緑化といっても、あまり喜べない事情があるようだ。