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2019.03.04 16:58
デザイン・美術系の出版社 TASCHENから増補改訂版「Bauhaus」が発売された。著者は、かつてはバウハウス資料館でも活動していた美術史家のMagdalena Drosteだ。
両大戦にはさまれた14年という短いあいだに、モダニティの様相を変えたバウハウス。未来に向けた理想的なアイディアをもとに、美術、職人技、技術の先駆的な融合を展開し、映画から演劇、彫刻から陶芸に至るまで、さまざまなメディアを通じて実践が行われた。
同書は、バウハウスの歴史に関する世界最大のコレクションをもつベルリンのバウハウス資料館と共同で執筆。設計図、研究、写真、スケッチ、模型など約550点の図版付きで、完成した作品だけでなく、ワイマール、デッサウ、ベルリンという場所を通じて、理想を求める創造的なコミュニティの中心となった理念や人物なども紹介されている。
集団でのスナップショットからパウル・クレーが指導したドローイング、大規模な設計図からマリアン・ブラント(Marianne Brandt)の非常に洗練された灰皿まで、バウハウスの全体という芸術活動のビジョンを作り上げた色彩、素材、形象を満載している。
バウハウスの100年に取り組んだ同書では、モダニズムにおける先駆的な運動だけでなく、芸術教育のパラダイムにもなり、創造的な表現と最先端のアイディアが同時に機能的で美しい作品を作り上げた、そのエネルギーと厳格さを明確に解説している。価格は50ドル(約5,500円)。バウハウスファン必読の書となるだろう。