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2019.02.27 17:16
NFLプレーヤーのColin Kaepernick(コリン・キャパニック)は、警察の暴力行為と人種による不当な扱いへの抗議を示そうと、国歌斉唱の時にひざまずいたことがあった。その後、ソーシャルメディアなど各種メディアでは議論が巻き起こった。
そこで、カンザス大学の研究チームは、こうしたときに発信者の人種が関係するのではないかと、ミレニアル世代の白人を対象として調査を開始。まず、賛成・反対双方のツイートを収集。そこに白人の男性/女性、黒人の男性/女性の画像を後から貼り付け、参加者に提示して、この問題に対する彼らの認識やツイートした人物について質問を行った。
このとき、参加者にはアイトラッキング装置を装着させ、ツイートを読むのに使った時間を計測。このアイトラッキングによるデータでは、白人男性の画像を付けたツイートはじっくりと読んだことがわかった。他方で、テスト後に参加者に直接意見を聞くと、とくに黒人男性のツイートに信頼を置いていたという矛盾が見られた。
つまり、Twitterユーザーは視覚から得た情報、つまり発信者の人種に左右されるおそれがあるということだ。人々は見た目で自分に似ている人の意見に引っ張られる傾向にあり、自分があまり知らないユーザーからのツイートでも信頼してしまうのには、こうした点が関係する可能性があるとしている。
この結果からすると、Twitterでは人種とアイデンティティが重要であり、意識的反応と無意識的反応は異なっていて、つねに視覚的なデータよりも自己報告のデータの方をじっくりと吟味する必要があることになる。
「もしミレニアル世代の白人にメッセージを届けたいなら、メッセージの内容だけでなく、誰がメッセージを配信しているのかを考える必要があります」と、この研究を主導した Joseph Erba氏は語っている。「議論するトピックと発言者の視覚的なアイデンティティの「組み合わせ」が重要なのです」。