建築事務所 Henning Larsenによる「Humlestaden」
イェーテボリ南部の田園都市構想

スウェーデン・イェーテボリの南にある155,000 平米の都市マスタープランコンペが開催され、建築設計事務所 Henning Larsenが勝利した。同計画は「Humlestaden」と命名され、緑地を基盤とした都市のエネルギーに改めてフォーカスしたコミュニティモデルの実現を目指すという。

かつてはビール会社「プリップス(Pripps)」の醸造所があった場所で、同市のHögsbo地区に位置するこの場所で、住宅3000戸、中央には市民公園、多目的商業スペースを設置し、市民生活の主たる環境として屋外緑地の設置をする計画案だ。

この「田園都市(garden city)」構想はイギリスに端を発するもので、都市の工業化による多忙な群衆の生活への反応として、19世紀の転換期にさかのぼる。小規模で自給自足のコミュニティのネットワークを作り、都市の生活と農村での農業とのバランスを図ろうとするもの。

新たな計画では、主に市民の緑地をベースとした活発な都市コミュニティの基礎を築いて、都市の立場からこのコンセプトを再考。緑豊かな中央の共有地や、すぐ近くには森や自然保護区があり、商業地区や工業地区のなかで自然の空間を際立たせ、活性化することが狙いだ。

また、Humlestadenとは「ホップシティ(hops city)」という意味で、スウェーデン最大のビール醸造所の跡地として、地元の歴史も踏まえている。醸造所ができる前は、この地域では商売を行う庭園や果樹園など地元の農業が営まれていたそうだ。End