IBMが新たなプラスチックリサイクル技術を開発
触媒を用いて化学的に分解する「VolCat」

IBMは、新たなプラスチックリサイクル技術「VolCat(Volatile Catalyst)」を発表した。「PET(ポリエチレンテレフタラート)」という特定のプラスチックを、触媒を用いて化学的に分解するプロセスだ。

PETは最も一般的に製造されているプラスチックポリマーの1つで(プラスチックの年間総生産量の約10%)、食品や飲料のパッケージ、布の繊維に含まれる重要な成分。これまでその大部分はリサイクルされず、それゆえ毎年800万トンのPETが海に流れ込んでしまう原因とされている。

このプロセスでは、ペットボトル、プラスチック容器、PETベースの布地を粉砕して、200℃以上の圧力容器に入れて触媒と化学的に混合。熱と少量の圧力で分解でき、食品の残りやのり、汚れ、染料、顔料といった汚れも分離が可能だ。「モノマー」と呼ばれる再生可能な白い粉末状の物質をポリエステル反応器に直接入れることで、新しいプラスチックが製造できる。

VolCatを使って、今後数年間で以前の方法よりも多くの種類のプラスチックを処理し、より効率的かつ多方面で使用できるリサイクルを目指している。従来の機械的なリサイクルとは異なり、着色プラスチックや汚れた容器も、透明プラスチックやきれいな容器と同様に分解できるため、100%リサイクル可能な高品質な製品を製造できるとしている。End