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2019.02.25 16:27
東京工業大学、リコー、産業技術総合研究所の研究グループは、消費電力が極めて低い小型の「原子時計」の開発に成功したと発表した。
これは、構成部品のひとつである「周波数シンセサイザ」の消費電力を大幅に削減するもので、さらに新たな「量子部パッケージ」を用いることで温度制御の効率を向上させ、60mWという低消費電力と15cm³という極小サイズを実現した。
1927年に正確な時を刻む水晶振動子を用いる時計が発明され、それ以来この仕組みは腕時計などにも搭載されて普及し、人々がみな正確な時刻を共有することが当たり前となった。
現在は大型で消費電力の大きい原子時計を時刻の基準とし、水晶発振器を同期させることで時刻を得ているが、小型化して水晶発振器の代わりになれば、大きな技術的・社会的変革が得られると考えられていた。
今回、原子時計のサイズと消費電力を大幅に削減することで、これまで搭載が難しかった自動車やスマートフォン、小型衛星など、さまざまな機器に搭載可能となり、自動運転、高精度な測位、新たな衛星ネットワークの実現を大きく加速させる可能性があるそうだ。
この開発品は、日本政府が進めるIoTが支えるソサエティ5.0(超スマート社会)の実現に貢献するものとして、5年後を目途に販売開始を目指すとしている。