NEWS | ソーシャル / 建築
2019.02.19 16:47
Nicolas Abdelkaderが率い、パリを拠点に活動するStudio NABは、垂直型の農場「Superfarm」のデザイン案を公開している。
2050年までに地球の人口の約80%が都心部に居住し、控え目に見積もっても人口は約30億人増加すると予想されている。この成長に合わせて植物を栽培するには、ブラジルの国土よりも約20%広い、推定109ヘクタール(1,090,000平米)の新しい土地が必要になるという。
同スタジオは、ディクソン・デポミエ(Dickson Despommier)博士をはじめとする垂直農業の先駆者たちに続き、都市の食糧問題に対して持続可能な対策を提案。それが「Superfarm」である。
このプロジェクトはサラダやその他の野菜、フルーツをつくる従来の都市における農法と一線を画し、健康的な食生活に必要な栄養価の高い作物の栽培にフォーカスするだけではなく、魚や蜂蜜の様な食物の栽培にも力を入れるものだ。
設計案は、都市の中心部での河川開発の一環として想定。栄養価が高く収穫量の多い作物を街中や水上で実践的に栽培し、健康リスクと水の消費量を低減。農場の機能をフロアごとに分け、生産者と消費者の距離を近づけて生鮮食品を提供。さらに、失業対策や地域経済の再生、エネルギーの自給を目指している。
海藻養殖、養蜂、昆虫養殖、養殖と水耕を組み合わせて都市の環境で生態系を再現する「アクアポニックス」と呼ばれるシステムを構築しようとしているようだ。