NEWS | 建築
2019.02.14 17:12
千葉県市原市にある建築設計オフィス kurosawa kawara-tenによるコインランドリー「LAUN-DRY」は、同県の開発から30年ほど経った戸建住宅と集合住宅が集まった郊外団地の外れに建てられた。
近年は海外や日本でも、インテリアやアメニティの充実した居心地の良いコインランドリーが増えているが、市原の郊外にはなく、派手なシートを貼った看板や大きな説明パネルが目立つ空間が多いと言う。
「郊外の人々だって、もっと素敵な空間で洗濯をして魅力のある暮らしを送れてもいいのではないか」という想いから、郊外の日常生活を彩る魅力をもつコインランドリーを設計。リニューアルにあたって、乾燥機がほとんどを占めている店舗をラウンジのような洗濯室として使ってほしいと、「LAUN – DRY」という名前を考案した。
日々の暮らしより少し素敵な暮らしを味わえる空間とするために、ビニール壁紙や木目調プリントは使わず、多くの人に使い込んでもらうことで価値が増すインテリアを採用。当初は壁床ともにデニム生地を使用したラフで味わいのある空間を提案したが、最終的には壁をデニム生地の壁紙にすることで落ち着いた。
天井には新しく煙突を突き出し、洗濯する空間に自然の光をおとすトップライトを設置。日の光が洗濯の気持ち良さや清潔感を際立たせるとともに、外観にも町の洗濯室の象徴として、家の煙突を感じさせるチャームポイントをもたせている。(グラフィックデザイン:しなやかデザイン、写真:佐藤亮介)