パリのメトロの廃駅をレストランに改装
ユニークなグルメ体験ができる「LE TERMINUS」

パリのメトロは1号線から14号線まであり、駅の数は300を超えるという。その一方、廃駅になってしまったものもある。そのうちのひとつが、パリ6区にある「Croix Rouge(クロワ・ルージュ、赤十字の意)」駅だ。

1923年に作られ、パリ左岸を東西に走る10号線のかつての終着駅だったが、駅の間の距離が近すぎて不要になってしまった。

そして現在、パリのリニューアルプロジェクト「Réinventer Paris 2」の一環としてこの駅を再開発し、ユニークなグルメ体験ができる飲食店「LE TERMINUS(終着駅)」に改装しようという計画が進められている。設計を担当するのは、地元の建築設計事務所 SAME

建築・文化の遺産である地下鉄の廃駅をレストランにするというこの試みには、2つのコンセプトがあるそうだ。1つは地下のマルシェと庶民的なフードコートを合わせたホーム型市場にすること、もう1つはレストラン兼カクテルバーにすることである。つまり、始発が通る時間に市場が開き、終電が通るころにバーが閉まるのである(廃駅なので列車は通過するが)。

この再開発は、一方では地域の歴史に根差したものであり、他方で環境問題に責任をもち、社会に参加し、創意工夫のあるパリの未来を目指す現代的なものでもある。2022年完成予定とのことで、パリらしいおしゃれな仕上がりが楽しみだ。End