NEWS | 建築
2019.02.19 14:51
サンフランシスコの建築設計事務所 AMLGMが手がける「PEARL MOSQUE」は、ドバイでもっとも野心的な複合ウォーターフロント開発の1つ、「Dubai Creek Harbour(ドバイクリークハーバー)」内に位置する。
四方は複合住宅タワーに囲まれ、力強い軸線が敷地の中央を通り抜けており、建設中のCalatrava Dubai Creek towerと海岸線の野生生物保護区やウォーターフロントパークを結んでいる。PEARL MOSQUEには高い視認性と中心性があり、大胆で象徴的でアクセスしやすいデザインが求められた。
同事務所は、その地域の文脈のなかにデザインを根付かせるために歴史に目を向けた。石油中心の経済に移行する以前は、UAEやペルシャ湾岸の各都市の経済は、真珠の採集に頼っていたそうだ。ドバイでは7千年の歴史を誇り、希望と豊かな文化の象徴である真珠がデザイン上の強力な文化的モチーフになったという。
この建築ではドーム、ムカルナス、マシュラビヤ模様など伝統的なイスラムの要素が取り入れられており、真珠を大胆に模した大きな球形を包むように形作られている。そこに5つの小さな球形が入り込むかたちで、大きな球形の一部分をカットしている。伝統的なムカルナスの現代的な解釈として、切り取られた部分の空隙を通って光が差し込み、同時にエントランスとしても機能する。
礼拝堂は上階に位置し球形の空間となっており、キブラ壁がメッカに面するように建物は回転式となっている。この操作でドームの入口の下に日陰になった公共の集合スペースが出現。必要に応じて第2の礼拝の場として機能させることもできる。