NEWS | 建築
2019.02.13 18:10
デンマークとアブダビを拠点にする建築設計事務所 CEBRAを主宰する建築家 Mikkel Frostはこのほど、「TEDx」に登場した「Let your fingers do the talking(あなたの指に語らせてみよう)」と題する動画を公開した。
その議論とは、手描きのデッサンが重要であるということ。デッサンとは描写の巧みな技を見せるのではなく、むしろ本質に迫る視覚化をより活き活きと自由に補うものだという。これは、CEBRAでは新しいプロジェクトの設計プロセスでいつも用いるコミュニケーションの形式なのだ。
「手描きの絵はけっして孤立したものではありません。CEBRAでは、手描きとコンピュータによる視覚化の両方を使用していますが、手描きの方がプロジェクトについてやり取りするのに手っ取り早いことがよくあります。新しいコンセプトについてクライアントへの説明を容易にするツールなのです」と同氏は説明する。
こうした手描きはなによりも、ユーモアだったり短い言葉だったり、簡潔な表現を用いてメッセージを伝える、漫画の世界にヒントを得ているという。そして、非常にリアルに視覚化するよりも、手描きの方が容易に相手に意図が伝わり、オープンで、それほど断定的ではない視覚言語として表現できるのだ。「理想としては、クライアントと一緒に共同制作を行うプロセスの一部として手描きを用います。指に語らせてみようというわけです」と彼は締めくくっている。