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2019.02.12 14:42
建築設計事務所 スノヘッタ(Snøhetta)は、過去2年間にわたり、プラスチックに関する研究プロジェクトに取り組んできたという。重視したのは、廃棄物ではなく、当初の目的で利用した後は新しい方法で利用すべき貴重な資源と考えて、使用済みプラスチックに対する人々の意識を変えることだった。
同事務所はこのほど、家具メーカー Nordic Comfort Products(NCP)と共同開発したチェアを公開した。使用したのはノルウェー北部の地元の魚養殖業から出た100%リサイクルプラスチックで、本体部分はこの素材で作り、サブフレームはリサイクルスチールを用いている。
「S-1500」と名付けられたこのチェアは、1960年代後半に登場した、ノルウェーのモダニスト Bendt Wingeのクラシックなチェア「R-48」の構造を再設計したもの。Wingeの学校用・オフィス用の「Rシリーズ」のチェアは、ノルウェー国内だけで500万台以上も販売した製品だそうだ。
マットでざらっとした濃緑色の表面は、大理石に似た表情をもっている。北海の漁網からNCPの製造施設へとたどり着いたプラスチックの物語を伝えており、やがては学校、家庭、公共施設のチェアとして使われることになる。
スノヘッタは、S-1500チェアの開発を通じて、イノベーションとデザインによる斬新で持続可能な方法での廃棄物の活用を促そうとしている。