NEWS | サイエンス
2019.02.08 16:44
気候変動は、世界の海洋の植物プランクトンに重大な変化を引き起こしているそうだ。マサチューセッツ工科大学の新しい研究によると、今後数十年のうちにこうした変化が海の色に影響を及ぼし、青いエリアと緑色のエリアがはっきりしてくるそうだ。衛星でこの色の変化をとらえて、海洋の生態系への広範囲にわたる異変を早期に警告すべきだとしている。
研究者チームの報告では、さまざまな種の植物プランクトンや藻類の成長と相互作用をシミュレートする世界規模のモデルを開発。温度が世界中で上昇するにつれてさまざまな場所でいかに種の混合が変化するかを指摘している。
また、植物プランクトンが光を吸収・反射する仕方や、地球温暖化によって海の色の変化が植物プランクトン群の構成にどのように影響するかもシミュレートした。
同チームは、21世紀の終わりまでこのモデルをシミュレートしてみると、2100年までには世界の海洋の50%以上が気候変動により変色することが分かったそうだ。
この研究では、亜熱帯などの青いエリアは今後、この海域で植物プランクトンが減少したり、生命体全般が減少してしまうのを反映して、さらに青くなるだろうと予想している。気温が高いほどより多様な植物プランクトンが繁殖するように、両極近くのような今日ではまだ緑色が濃い海域も今後さらに緑色が濃くなることがありうるとしている。