コーヒー豆も発酵が大切!?
乳酸菌がコーヒーの味に影響を与えるという研究結果が発表

▲Photo by Tina Guina on Unsplash

従来の定説をよく調べてみると、実は反対の結果のほうがよりよいことがある。コーヒー豆に関しても、そんなことが言えるそうだ。実際、豆の発酵時間を長くすると、味が良くなりうるとアメリカ微生物学会(American Society for Microbiology)が発表した。このプロセスでは、乳酸菌が重要で有益な役割を果たすという。

カップ1杯のコーヒーでも、栽培、収穫後の処理、焙煎、醸造といった複雑な工程を経た「最終産物」であるとされる。収穫後処理にもいくつかのパターンがあって、豆の湿り気を残す方法と乾燥させる方法がもっとも一般的で、アラビカ種やスペシャルティコーヒーでは前者の方法が使われ、この段階に発酵が含まれるそうだ。

この研究を主導したブリュッセル自由大学のLuc De Vuyst教授は、発酵時の乳酸菌の影響を発見。これにより、フルーティーな味わいが生まれ、「発酵時には発酵塊の酸性化が起こるために発酵中のコーヒーの品質に対する保護効果が出て、安定した微生物環境を提供し、しばしばオフフレーバー(異臭や味の変化)を生じさせる好ましくない微生物の繁殖を防ぐことができました」と述べている。

「さらに、発酵に関連した代謝物質がコーヒー豆の上に蓄積し、それが生のコーヒー豆の品質や、醸造されるコーヒーの感覚的な品質にも影響を与えます」と同氏は説明する。それでも同氏によれば、さまざまな微生物も存在するようで、処理の各段階がコーヒーの味にどう影響するかはまだまだ分かっていないようだ。End