NEWS | 建築
2019.02.06 16:08
ロッテルダムに1916年に建てられた「Rotterdam Blitz」は、1940年に街の歴史ある中心部のほぼすべてを焼き尽くした爆撃の後に生き残った数少ない構造だった。
こうした貴重な遺産を修復、設計、建築するには、建物の素晴らしい歴史を最大限尊重するだけでなく、街の中心部にふさわしい市民の拠点を提供するビジョンと野心が必要とされる。
ロッテルダム市としては、住居、店舗、ホスピタリティのプログラミングを組み合わせて、この敷地を有効に活用して市内中心部を再活性化することがねらいだ。
このプロジェクトを手がける建築設計事務所 ODA New Yorkは、新しい150mのタワーを構想。もとは郵便局として使われていた新建築「Postkantoor」の後方、ローデザント(Rodezand)通り側の既存の中庭に建設される。アーチ型の台座部分は、Postkantoorの大ホールと結びついており、中庭での経験をより豊かにしてくれる。
文脈を巧みに合わせて、Postkantoorのファサードにある5フィート(約1.5m)の間隔の柱のリズムを、タワーを特徴づける石造りの格子にも反映させている。他に類を見ない窓のデザインであるこのタワーには、採光孔に応じてサイズや形が異なる開口部を設置。
1916年当時の驚くべき22.5mの高さを実現した丸天井の大ホールへは、コールシンゲル(Coolsingel)通りとメーント(Meent)通りの既存のエントランスから入ることができ、プロジェクトの中心として忠実に再現。ローデザント通り側に新しいエントランスを設けることで、すべての方向から館内へのアクセスが可能となり、建物の中庭ホールとつながる広い通路の形成につながった。