光をあてて液体を固形化する3Dプリンター
アメリカの研究者チームが開発

▲UC Berkeley photo by Hayden Taylor

開発が進む3Dプリンターの世界に、また新たな装置が登場した。カリフォルニア大学バークレー校の研究者チームが手がける「replicator」である。

これは、光をあてて物体を形成し、製品デザインを仕上げるというもので、数分間で光が柔らかく粘り気のある液体を複雑な固体に変えることができるという。

この装置では、従来のものよりも滑らかで、柔らかく、複雑なものが作成可能。また、金属製のドライバーシャフトにグリップをつけるなど、既存の製品を別の素材で包み込むこともできる。

従来ではレイヤーを積み上げる手法が一般的で、この場合、縁を階段状に作り上げていくことになる。しかし、湾曲可能な材料ではプリント中に変形してしまうおそれがあり、アーチのような特定の形状のプリントには支えが必要となるので、柔らかいものを作成することが困難だった。

新しいプリンターでは、ある閾値で光をあてると反応して固形化する粘性のある液体を使用。回転させた液体のシリンダーに、映画のプロジェクターのように精巧な光のパターンを照射すると、たちどころに希望の形状に固まってくれる。

研究者によると、この技術を使えば、義肢から眼鏡のレンズなどのさまざまな製品の設計や製造方法を変える可能性があるとしている。End