イタリアのデザインコンペティション「A' Design Award & Competition」
2018-2019年度の応募期限が近づいています

毎年イタリアで開催される国際的なデザインコンペティションであるA’ Design Award & Competition(エーダッシュデザインアワード&コンペティション)は現在、2018-2019年度の追加エントリーを応募サイトで2019年2月28日(木)まで受け付けている。

A’ Design Award & Competitionは、優れたデザイナー、デザインコンセプト、プロダクト、サービスを表彰する世界最大級のコンペティション。約100か国のデザイナーが参加しており、50を超える言語で応募を呼びかけている。

同アワードは受賞者の知名度を高め、広くPRする機会をつくることを目的としており、受賞者は国際的な注目を集めるだけでなく、「A’ Design Award Winners’ Kit」と呼ばれる以下のような様々な特典が与えられる。

・イタリアの会場およびオンラインで行われるエキシビションへの参加
・イヤーブックへの掲載と、ハードカバー版の贈呈
・ネットワーキングのためのガラナイトへの参加
・100以上のオンラインマガジンへの掲載
World Design Rankingsへの掲載
・A’ Design Awardのビジネスネットワークへの参加
・大規模なPRキャンペーンの実施
・プレスリリースの準備および配布
・作品の販売
・トロフィー、受賞証明書の贈呈

その他の特典はウェブサイトで確認することができる。

A’ Design Award & Competitionのミッションとビジョン

ミッション

あらゆる分野の企業、デザイナー、イノベーターに公正かつ道義的で、競争力のあるプラットフォームを提供し、世界中の関心のある人々に受賞者の成功と才能を紹介することを目的としている。また同アワードは、デザイナー、企業、関心のある人々、メディア関係者を結びつける「ブレンダー」としての行動を目指し、優れた製品とサービスを取り上げることが目標である。

ビジョン

同アワードは、より良い未来のために、優れたデザイン、デザイナー、デザインに関心を抱く企業を取り上げ、世間に広め、支持している。また、メディア関係者、インタラクティブメディア、デザイン評論家、販売業者、バイヤーの注目を受賞者に伝えることも目的としている。モットーは「Ars Futura Cultura」、つまりアートは未来を育み、アートは未来の文化のためにあるということ。未来はアート、デザイン、テクノロジーで決まると信じ、より良い未来のために優れたデザインが必要だとしている。

アクション

同アワードは単なる賞ではなく、デザインの質と完成度の指標として世界的に認知されており、デザインに関心を抱く企業、専門家、利益団体の注目を集めている。デザイナーにとって、受賞は優秀さの証しであり、企業にとっては品質の証しとなるもの。世界中のデザインに関心を抱く人々の興味を引き付け、より良くより目立つ仕事とセールスリードを見つけることができる。

カテゴリーおよび過去の受賞者

A’ Design Award & Competitionには、インダストリアルデザイン建築デザインプロダクトデザインコミュニケーションデザインサービスデザインファッションデザインなど多岐の分野にわたる100以上の応募カテゴリーがある。作品はそれぞれの分野における学者、専門家、メディア関係者等の識者で構成される審査員団によって評価され、プラチナ(最優秀賞)、ゴールド、シルバー、ブロンズ、アイアンの賞が贈られる。ここでは、各カテゴリーにおける2017-2018年度のプラチナ・ゴールド受賞者を紹介していく。

《室内空間・展示デザイン 2017-2018年プラチナ受賞者》

G Space(ヘアサロン)

▲デザイナー:Ming-Hong Tsai and Zhi-Yin Liao(台湾)

このプロジェクトでは異なるフロア構成を採用、洗面台をサロンの真ん中に設置し、空間の広がりと力強さを表現しようと考えた。このフロアではエリアを分割し、立方体を置くことによって、空間をより多層的で機能的な楽しさを提供。約300個のLED電球を使用して、空中で髪がウェーブするイメージをつくっている。

American International School of GZ(学校)

▲デザイナー:Vantree Design and Pearl River Design(中国)

USGBCのLEED Silver認証プロジェクトであり、AISG規格のモデル標準プロジェクトでもある同建築。「贈り物の箱を開けること」をテーマにしたホールの装飾では、屋外のファサードから室内空間や装飾品まで細部にこだわりが感じられる。子どもたちにとってこの学校はユニークな贈り物となり、彼らの可能性を引き出す手助けにさえなるかもしれない。

Creative Incubators(オフィススペース)

▲デザイナー:Rui Zhao(中国)

もとの建物は単層の膜構造であったため、大きなエネルギー損失を生み出していた。このプロシェクトではエネルギーを節約し、球形の鉄製の格子の力強さやむき出しの構造の美しさを維持するために、屋内に透明なフィルム層を採用。自然な光が膜構造を通して部屋中に差し込むことを考慮し、薄いグレーと木材の色の組み合わせをインテリアのメインカラーとして選択している。

《建築・ビル・構造デザイン 2017-2018年ゴールド受賞者》

Hadar’s House(住居)

▲デザイナー:Asante Architecture & Design(スウェーデン)

隣接する島々とノルウェー海を見渡す、ノルウェーの海岸のほとりにある小さな家。Stokkøya島の農村開発プロジェクト「Bygda 2.0」の一環で、大自然のなかにある村に現代ノルウェーの住居を展開することを目指し、ビジネスや研究活動を現地での生活や余暇、休息の場と融合させた。

Yard Seclusion(農場の宿泊施設)

▲デザイナー:Lei Jin、Tianqi Guan、Teng Guo(中国)

この宿泊施設では従来の農家の住居と周囲の庭とのあいだにある空間的関係を維持することで、滞在者がさまざまなかたちで村と結びつくことを可能にしている。伝統の「外側」をつくり出そうと試みながらも、伝統と共存し、尊重しながら拡大していくことを目指している。

The Mirrored Sight Shelter(展望施設、茶室)

▲デザイナー:Li Hao – One Take Architects(中国)

中国・竜里県の人々と地元のコミュニティが経験した孤立と緊張を表現しようとしたもの。同建築は現在、新しい地域のランドマークとなっている。2階建てで、上の階では景色を見渡し、下の階ではゆっくりしたり休むことができる。ピラミッド型の室内空間はかなり狭い印象を与えるが、2階に上がると思ったよりもはるかに広いと感じられる。

Furusaki Tokyo(建設会社オフィス)

▲デザイナー:丹羽浩之(日本)

300㎡に満たないこの小さな建物には、オフィス、会議室、工場、トラックの荷下ろし場、寝室など、建設会社に必要なあらゆる機能がぎっしり詰まっている。小さな敷地を大いに活用した複合施設で、外観も複合施設としての建物の機能を体現。各機能は「箱」として積み重ね、それぞれの「箱」の室内は異なるテーマで多様性を表現している。

FU House(住宅)

▲デザイナー:窪田勝文(日本)

光と影は風と水のようにたえまなく曖昧で抽象的なもの。L字型に折りたたまれた3枚の白いスラブが、常に変化するこの環境に立体的に挿入されている。交差によって生まれた空間は人間の感情に刺激を与え、L字型に折りたたむことで時に自然の力強さを緩和してくれる。スラブのあいだの空間からはそっと光が差し込み、風が通り抜ける。

《家具・装飾品・家庭用品デザイン 2017-2018年ゴールド受賞者》

S13(サイドボード)

▲デザイナー:Dren Begolli(コソボ)

動いているような印象を与える3Dパターンがこのサイドボードのユニークさを物語っている。釣り合いや対称性などによりユニークで魅力的なデザインに仕上がっていて、光と影のコントラストとこのモデルで使った素材が、このデザインを豊かにしている。

Mulian(ソファ)

▲デザイナー:Hamid Packseresht(イラン)

このソファは、イランの約90%の楽器を調査し、その形状を分析することで誕生した。家具デザインに対してモダンとポストモダンの両方のアプローチをもちつつ、楽器の魅力、アイキャッチ、ノスタルジックな形状のあいだに架橋したデザインと言える。専用のスマホアプリを使えば、ビルトインのオーディオシステムからペルシャの伝統的な楽器の曲を2分間聞くこともできる。

Voltaire(家具)

▲デザイナー:Stelarbloom(オーストリア)

テーブルに光を組み込みたいと考え、その形は単純で明快だが、完成形はしっかりしていて、外観は光を帯びている。間接照明はテーブルの部品間のつながりを形成、天然木材の重いテーブルトップは両側のフットフレームの上に浮かんでいるように見え、軽くて持ち上がった印象を与える。テーブルだけでなく、室内の照明彫刻でもある。

《パッケージデザイン 2017-2018年ゴールド受賞者≫

Create Your Own Moon(月餅)

▲デザイナー:Lam Cheung、Yi Lau(香港)

香港では中秋節の際に贈り物を送ることが習わしではあるが、もともとは家族の再会を祝うお祭りだった。それをデザインに反映させたのが、この月餅だ。最愛の人と一緒にミニチュアの月をつくることで、再会の甘やかさを心のなかで共有することができる。ユニークな月餅に振りかけるカラフルなパウダーは、創造性と鮮やかさを象徴している。

《グラフィック・ビジュアルコミュニケーション 2017-2018年ゴールド受賞者》

ONE WORLD(環境保護)

▲デザイナー:YUANFANG LIU(中国)

このデザインは進行する地球の環境悪化と、故郷の破壊に着想を得ている。私たちは同じ世界に住んで同じ夢を共有するのであり、世界の平和の願いを象徴している。ポスターデザインの連作で、創造的で文化的なプロダクトデザイン。

《デジタル・電子機器デザイン 2017年プラチナ受賞者》

Yoga 730(ラップトップパソコン)

▲デザイナー:Lenovo Experience Design Group(アメリカ)

なめらかで最小限の形状で、もっともシンプルで純粋なラップトップデザインの1つ。超薄型で比較的大きな画面を実現、広い表示エリアが必要なユーザー向きで、底面は旅行に適した13インチなので固定できる。重さは2.7ポンド(約1.2㎏)で、タブレットモードでは片手で持つことができ、折りたたむと画面の上下が重なり、密着した形ができあがる。

《ジュエリー・アイウェア・腕時計デザイン 2017-2018年ゴールド受賞者》

Blooming(折たたみ式アイウェア)

▲デザイナー:Sonja Iglic(セルビア)

あらゆる存在の成長と変化に着想を得ており、花を変化と発展の象徴として活用。同作品も動く花びらのようになっている。着眼点は、利用者の状況の変化によるニーズに合わせられること。折りたたみシステムとともに、複数の外観をもつという機能がこのアクセサリーを際立たせている。折りたたむとコンパクトで、持ち運びしやすいのも特徴だ。

《照明製品・照明プロジェクトデザイン 2017-2018年ゴールド受賞者》

Tag Switch(タグスイッチ)

▲デザイナー:Liquan Li(中国)

もっとも革新的な点は、各ライトがどのスイッチで点灯するかがユーザーにはっきりとわかること。従来のスイッチ設計基準にもとづいて、スイッチの上に小さなラベルを取りつける小窓を設けた。それぞれの小窓に異なるラベルを入れるだけで、設置は簡単で実用的。ラベルプレートのノッチに小さな穴があり、ラベルは細い棒で押せば取り出せる。

《家庭用品デザイン 2017-2018年ゴールド受賞者》

BaoFeng Mini1(ポータブル・プロジェクター)

▲デザイナー:Mingxi Yuan(中国)

BaoFeng Mini1は、どんな環境でも使えるポータブル・プロジェクター。円形のアルミニウム製カバーが内部の部品を保護してくれる。ユーザーが新たなインタラクティブ体験を味わうには、カバーを回転させればよく、時計回りに回せば投影装置、反時計回りに回せばBluetoothでリスニング機能が楽しめる。

《アート・クラフト・レディメイドデザイン 2017-2018年プラチナ受賞者》

Wood Storm(卓上オブジェ)

▲デザイナー:Naai-Jung Shih(台湾)

同品の回転機構は木製の回る帯が支えており、机の上や平らな場所に設置して照明を下から当てることができる。一本一本のまっすぐな木や竹の軸は前へ進む効果を演出する。U字型の透明な土台は、嵐が空中に浮かんで広がるように見えるものが選ばれた。

《科学機器・医療機器・分析装置デザイン 2017-2018年プラチナ受賞者》

K-Haler(吸入器)

▲デザイナー:Mundipharma International Limited(イギリス)

1956年に加圧噴霧式定量吸入器が発明されて以来存在する多くの問題に対処するように設計。これまでのほとんどの吸入器では、噴霧に力が少し必要だった。k-halerのユニークな技術はさまざまな吸入製品に適しており、同社による将来の医薬品開発のためのプラットフォームになっている。

《持続可能な製品・プロジェクト・グリーンデザイン 2017-2018年プラチナ受賞者》

Stay Sixty(詰替可能なドリンクボトル)

▲デザイナー:Two Create Studio(イギリス)

二重壁設計で飲み物を新鮮に保ち、かばんのなかの結露を防いでくれる。独自の底部分は取り外し可能で、洗浄や充てんがしやすい。瓶は、角氷、フルーツ、粉末ドリンク、スムージーなどを底から簡単に入れられる。底部分はすばやく効果的に洗浄できることで、製品の寿命を延ばすことにもつながっている。

これら以外にも、応募対象となるカテゴリーは細分化され、非常に多く設けられている。エントリーの際はぜひチェックしてみてほしい。End

A’ Design Award & Competition

申し込み方法
まず以下のサイトより登録を行う。
https://competition.adesignaward.com/registration.php

登録後、ウェブサイトにログインし、コントロールパネルからデザインやプロジェクトをアップロードする。
応募の詳細は以下のウェブサイトで確認することができる。
http://www.whatisadesignaward.com
http://www.designaward.com

応募期間
(追加) 2018年10月1日(月)~2019年2月28日(木)
結果発表
2019年4月15日(月)
詳細
http://www.competition.adesignaward.com/calculate-nomination-fee.html
注意事項
応募期間や参加者のアカウントの種類により、ノミネーションの際にかかる参加費が異なる。