NEWS | サイエンス
2019.01.31 14:52
詳細な「宇宙の地図」を作る日米独の共同プロジェクトが展開中である。「スローン・デジタル・スカイサーベイ(Sloan Digital Sky Survey, SDSS)」は、専用の光学望遠鏡を使って全天の25%以上を観測し、そこに見られる銀河やクェーサーの位置と明るさ、距離から地図を製作する計画だ。
SDSSの最新データには、「Mapping Nearby Galaxies at Apache Point Observatory (MaNGA)」と呼ばれる、プログラムの最初の3年間に観測された約5000の近傍銀河の内部構造や組成を解明する観測が含まれているという。
MaNGAでは、従来よりもはるかに詳細に銀河を研究するために、「分解分光法(resolved spectroscopy)」なる技術を使用。対象が異なる波長でどれだけの光を放射するかを測定し、多くの情報が得られるとしている。
MaNGAの目標は、初期の誕生や集合、恒星の形成や融合によるたえまない成長、そして後期における恒星形成の「クエンチング(急激な停止)」による消滅まで、現在の銀河の「生涯」を把握すること。
カリフォルニア大学サンタクルーズ校の研究では、生涯を終えた銀河のなかで高温の電解気体が流出する証拠をMaNGAデータから発見。これは、銀河の真ん中にあるブラックホールから流出した強い風が星の形成を止めることがあるという考えを補強するものだ。
さらに、星やガスの動きを調べたり、銀河のさまざまなところにある星の化学的特性を分析することで、銀河の集合の仕方について手がかりを得つつあるそうだ。