NEWS | サイエンス
2019.01.30 13:01
太陽系でもっとも遠くにある海王星の外側には、地球などの惑星を作る材料になった半径1kmから10kmほどの小天体が、惑星への成長過程からとり残されて存在していると予測されてきた。
こうした極小天体を市販の小型望遠鏡でキャッチすることに成功したと、国立天文台が発表した。このサイズの小天体はあまりに暗く、すばる望遠鏡などの大型望遠鏡でも直接観測はできなかったという。
今回、市販の口径28cmの望遠鏡に高速ビデオカメラを装着し、多数の恒星を記録。研究グループは、沖縄県宮古島市に設置した2台のシステムで同じ領域を同時に観測、2000個の恒星を60時間にわたってモニタリングした。
そして、太陽系の最果てにある極小天体が背景の恒星を隠す現象を0.2秒間だけ捉えることができたそうだ。分析の結果、地球から約50億km離れたところにある半径およそ1.3kmの極小天体が、恒星の前を横切り、その光を遮ったのだとわかった。
また、この発見から、このサイズの天体の数が従来の予測よりも100倍ほども多いと推定できた。今後もこうした観測を継続し、惑星の材料となった小天体の分布を明らかにしたり、いまだに謎の多い太陽系の誕生時の姿を知るための大きな手がかりとしたいとしている。