現代美術家 ジェームズ・タレルの大作「ローデン・クレーター」
アリゾナ州立大学が完成をサポート

▲Photo by Klaus Obermeyer

アリゾナ州立大学はこのたび、アメリカの現代美術家 ジェームズ・タレル(James Turrell)と画期的なパートナーシップを結んだことを発表した。

これは、アリゾナ州北部の砂漠にある大規模アート作品の1つで、彼が何十年にもわたって制作している没入型展望台「ローデン・クレーター(Roden Crater)」の完成をサポートするもの。

同作品は、休眠中の火山の内部に入って体験する光と知覚の大作であるが、現在は年間で数百人しか見ることができないという。つまり、より多くの人が入場できれば、学術的要素の発展を通じて彼のアート・ビジョンが共有されて、学際的なアプローチが創造性へと高まるということだ。

この取り組みでは、サイト内にビジターセンターなどのインフラを整備して彼の作品を維持し、アメリカ国内で最も有名な文化財の1つを確実に保存するために、最低でも2億ドル(約217億円)を集めることを目指している。

▲Photo by Klaus Obermeyer

▲1970年代のローデン・クレーター 写真提供:James Turrell

同大学は、資金調達とRoden Craterの運営を行う非営利団体「Skystone Foundation」とともに、180万ドル(約1億9500万円)の匿名の寄付金をもとにした年間計画を作成中で、プロジェクトの範囲と試験的な学術プログラムが決定される。

オンライン課程は現在タレルと共同開発中で、同大学の学生が現地を訪問する4つの研究課程も今春に向けて進行中だそうだ。End