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2019.01.15 17:48
コペンハーゲンの南10kmの町・ビズオウア(Hvidovre)で行われる「Holmene」は、この数年でスカンジナビア地方最大となる埋め立てプロジェクトである。
同プロジェクトは、知識集約型産業、非化石エネルギーによる生産活動、現在と将来にわたり地域の安全を守る防潮堤、だれでもアクセス可能な広大な自然エリアといった、この地域のさまざまなニーズを兼ね備えるもの。
この野心的な開発プロジェクトのビジョンと戦略計画を策定したのは、地元の建築設計事務所 URBAN POWERで、ビジュアル資料、動画、自治体や技術者、外部アドバイザーとの調整などを担当。
かつてこの地域の海岸線には無人の小島が浮かび、豊かで多様な植生と野生生物が見られた。しかし、1960年代には巨大産業の必要性から大規模な埋め立てが行われ、自然は味気ない技術中心の産業景観になり果ててしまった。50年経った現在、工業地帯はかなり発展して、さらなる需要が見込まれている。
Holmeneでは産業を展開する9つの島で構成。その周囲には、スポーツができる活動的なエリアからレクリエーション向けの静かなエリアまで、植物が配置される。人間がアクセスできない小さな島々やサンゴ礁など、自然や野生生物には陸上や水中で最良の条件が提供される。
一番大きな島では環境技術の開発や北欧最大の廃棄物発電プラントを展開。150万人の地域住民からのバイオ廃棄物や廃水がここで処理され、浄水、資源、バイオガスに転換される。蓄熱、風車、その他の環境技術を組み合わせて、少なくとも年間70,000トンのCO2を削減し、300,000 MWhを超える非化石エネルギーを生産。これはコペンハーゲンの人口の25%が消費する電力に相当するそうだ。